ハードディスクの仕組み
外部記憶装置の代表的存在であるハードディスク・ドライブ(HDD)は磁性体を塗布または蒸着した金属のディスク(「プラッタ」という)を一定の間隔で何枚も重ね合わせた構造になっており、これをモーターで高速に回転させて磁気ヘッドを近づけて磁性体を磁化させてデータの読み書きを実行しています。
磁気ヘッドとディスクは10nm程度と非常に接近するため、振動に非常に弱い構造となっている特徴があります。ディスクの大きさは、ノートパソコン向けのものは2.5インチが、デスクトップパソコン向けのものは3.5インチがそれぞれ主流ですが、コンピュータのマザーボードとの接続には主にSCSIやIDE(ATA)、SATAなどの規格が使われています。
ハードディスクは長い年月を経て大容量化に進んできましたが、軽量化や耐障害性への問題から、近年ではSSDやemmcなどのフラッシュメモリー系のドライブ利用が急速に進んでいます。
パーツ構成 | 機能と役割 |
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プラッター | パソコンのOSやプログラムを始め、データはこのプラッターの記録面に記録されます。プラッターには磁性体が塗られており、この磁性体を磁化させることでデータを書き込んでいます。 |
磁気ヘッド | プラッターを磁化させるのが、この磁気ヘッドです。 |
アーム | アームはアルミニウムなどで出来ており、非常に薄いパーツです。そのため衝撃や落下などでも歪みやすく、歪んだアームはプラッター記録面を損傷させやすくなります。 |
アクチュエーター | 磁気ヘッドやアーム自体を動作させている個所です。 |
制御回路 | ハードディスクの裏面には基盤がありますが、その基盤以外にもハードディスク内部には制御回路があります。 |
モーター | プラッターとモーターは密接な関係にあります。プラッターの記録面は、このモーターによる高速で回転しデータの読み書きを行っています。データの読み書き自体はヘッドの役割ですが、そもそもモーターが回転しなければ、ヘッドもスピンアップできないため、データの読み書きが出来ません。 |
モーター軸 | 流体軸受けなどのモーターを回転させる軸です。外付けHDDを始め、ノートパソコンなどを机の上から落としたりすると、この軸が歪むことがあります。軸が歪んでしまった場合、モーターの回転に異常が発生するため、ハードディスクは正しく動作できなくなります。 |
記録の仕組み
ハードディスクは円盤、アクチュエーター、アーム、磁気ヘッド、制御回路、基盤などから構成されています。アルミニウムやガラス板などに磁性体を塗布した円盤上でアクチュエーターを使って磁気ヘッドを移動します。
磁気ヘッドで瞬間的に指定した位置の磁性体を磁化させてデータを記録していきます。大容量化が進む一方で、それぞれの内臓パーツが非常に精密機器なため、衝撃に弱いデメリットがあります。
プラッターとヘッド
1枚のディスクを「プラッタ」と呼び、その表面を「ヘッド」と呼び、複数の「プラッタ」は順番に番号が振られています。ハードディスクは円盤のどこに記録したか分かるように円盤と円盤上を区分けして記録した場所を特定できるようになっています。